大腿義足のことあれこれ(加筆版)
大腿義足のま~ちゃんです
私自身のことについて、いろいろとあったので書き記しときます
私は平成4年(1992)に交通事故で 左足を大腿部から切断して2017年現在で約25年になります
交通事故を起こしたあと、救急車で某大学病院に直行搬送でした
(治療等は割愛します)
リハビリ後の義足製作の義肢屋さんは、その病院に入っている業者に決まりました
製作担当の方はベテランの義肢装具士(P.O.、以降”P.O.”と略します)でした
製作当初は、切断面もまだ安定していなかったので、つくってもすぐにソケット修正して、
それでもソケットがなかなかあわなくて、傷ができたり、痛くてソケットを装着できない時もあった
その担当P.O.さんは、わたしに対してこのような言葉を発した記憶があります
「あなたが、まだ義足(ソケット)に慣れていないからで、そのうち慣れてくるし、
痛いのは我慢!、我慢しなきゃ義足(ソケット)には慣れないよ」 そう説得され続けました
ある時期に、Nabco社のインテリジェント大腿義足(単軸膝継ぎ手・以降”インテリ単軸”と略)が
発表されました
もちろん、担当P.O.から勧められてインテリ単軸の義足を制作したのです
調整~納品後、普段通り歩いてもなんかしっくりこない(歩行時に違和感があり歩きづらい)ため、
片道、車で約2時間(距離:約45Km)をかけ、何度も何度も調整をするため義肢屋さんに通っていました
(義足の調整自体は、現地で約15~30分ぐらいなんですよね)
そうこうしているうちに、だんだん義足にも慣れてきて、これで(義足)大丈夫だなぁって思っていた時、
義肢屋さんのP.O.から次のお話が出てきました
今度はNabco社のインテリジェント義足(4軸膝継ぎ手)(以降”インテリ4軸”と略)を進められました
「インテリの単軸膝継ぎ手よりも、4軸の膝継ぎ手の方が、生身の膝に近い動き(折れ方)をするので、
歩いた時の姿が綺麗んだよってね」と勧められて制作しました
製作後、前回同様で歩行時にしっくり来なく、結果的には何度も通うことになった
相変わらず、調整で何度も通っていたら、あるとき担当P.O.さんからこんな言葉を聞くはめになった
「ハイテク(当時の膝継ぎ手(マイコン入り)は最新だった)の時代になってしまった、
もう私の手にはおえなくなった、けどどうする?」
(・・・ 要するにわたしにはもう出来ないって解釈できる内容)
その言葉を担当P.O.さんから聞いたときは非常に残念であった
「もうこれ以上は、義足をはけなくなりあまり出歩くことが出来ないのかなぁ」って思った時期もあった
時間だけが経過していったのですが、、、
ラッキーだと感じた時がある、
それは”オ社”(ヨーロッパの方)メーカーさんの日本の代理店の方から、
「大腿義足のデモンストレーションモデルをやってみませんかって」お誘いの機会があった
その時開催された懇親会で、その会社の営業P.O.さんとお話しできる機会があり、
自分がいまお世話になっているP.O.さんとのやりとりや、自分の悩みを相談したところ、
そのP.O.さんからは「なら、試しにうち(義肢会社)で一度義足を作ってみませんか」って提案が・・・
(ほんとうにうれしかったなぁ)
その提案をいただき、初めて義肢屋さんを変えるはこびとなりました
紹介していただいた義肢屋さんは、関西では大手(本当はもっと大きいです)でしたので、
担当されたP.O.さんは、ユーザの対応も製作技術は大変良かったと実感しました
しかし、大手の会社は大手なりの、これまた悩みがありまして・・・
当時、私がお世話になっていた義肢会社は、ある程度期間がたつと(2~3年くらい毎に)
会社の都合で、製作する担当P.O.が変わってしまうのです
制作担当のP.O.が変わる事は、切断者にとって、ものすごく負担になるっていうことを、
先方(P.O.やその義肢会社)が理解しているのか確認する機会もなく、、、
なので、個人的に面識があったその会社のトップのへ直接連絡をし、
元担当のP.O.さんに戻していただけるようお願いしてみましたが、
やはりだめでした (私にもなんかしら問題があったかのかもしれませんが・・)
(ただしそのP.O.さんの事情で、遠方に転勤やその会社を辞めたのなら仕方がない事ですが)
結果、最初から私と新しいP.O.さんとの関係を構築しなおしする羽目になりました
(私の歩行時の癖や切断部の個人差を把握し製作の参考にすること)
最近、某サイトでYくんがブログで書いている製作等にかかわる内容だけでは、
ここにすべてのことをかけませんし、
この先説明するだけの時間があるのだろうか?って感じています
しかし、自分自身があきらめないで探し求め続ければ(本当に大変だが)、
本当にいいP.O.さんや制作してくれる会社に出会えることがあったので、
それ自体がラッキーだったのであると思う
(個人的主観ですが・・・)
そして、自分自身が求めていないと、このようなチャンスにはたどり着けないと思う
もちろんそれには、家族や周りの方々のバックアップがあり、
あきらめないで費用も時間もかけたから出来たことといえます
(かといって、人それぞれだから同じようにしても同じ結果になる保証はない)
私が思うに、本来の姿は、P.O.さんや義肢装具業界の会社や法整備等のレベルが上がって
(全国)どこにいっても同じようなサービスや技術が提供出来るようになれば問題は無くなるはずなのだ
”振り返ってたときに・・・”
ご縁があって、義肢メーカーさんの大腿義足のモデルを経験してから決めた事がある
「いま自分に出来ることとは、何かできるのだろうと感じ始めたとき・・・」
「大腿義足の切断者(ユーザ)だけでやっていくだけではなく、P.O.(義肢装具士)養成校の授業で、
その一部の実習授業時間でしか学生とやりとりがないけど、
その時間の中で大腿義足の実習をするために大腿切断者モデルで学生の練習台となり、
練習台だけではなく学生に大腿義足関連でいろいろ教えられるようになって
(教員のP.O.(義肢装具士)と同じくらいに)
実習中は学生と色々、ディスカッション出来るようになってやろう」
って思い続けていままでやってきました
自分自身、それをやれるようになる簡単な一つの方法は、そこの養成校を出て国家資格を得れば可能です
しかし、そのことは大腿義足モデルとして自分が目標としている学生との関わることについては、
数年いや今後は出来なくなってしまうかもしれない
だから、自分自身が大腿切断者のモデルをしつつ、大腿義足関係の基礎知識について勉強をし、
大腿切断者のモデルとしての経験も積ませてもらいました
いま、学生とモデルをした際に一緒になってディスカッションが出来るのも、周りの教員や卒業生の
方々のご指導があったおかげです
(※養成校の学生に大腿義足の実習授業で教えることは学校関係者に許可をとっている)
「大腿義足切断者モデルをしていて良かったこと」
マルロー・オルティス氏(以降”マーロさん)が来日した際、そのセミナーで私をモデルにしての大腿義足製作デモをする機会がありました
もちろん、マーロさんに私の大腿義足ソケット(M.A.S.ソケット)を作っていただけました
採型が終わって、出来上がった仮合わせ用”M.A.S.ソケット”を、試着適合した際、
通例では何回か調整(削って高さを調整したり、暖めて大きくしたり、張り物をしてボリュームを小さくしたり)が
必要なのですが、マーロさんが作ったソケットは、ほんの微調整だけですませれたのだから・・・
実際に私が接した感想は、
「この人の技術(P.O.としての経験値)は半端ない」
と感じました
もちろん、日本には荒木さんをはじめ、すごく腕のいいP.O.はいるはずだし、
これからもどんどん世の中にでてきてほしいとおもう
セミナーを通じたり、それ以外の機会でも、新しい膝継ぎ手や側部を試せること(メーカーさんの
大腿義足モデルとしてやった際は、まだその膝継ぎ手などに慣れきっていなかったのでご迷惑を
おかけしました)や、マルロー・オルティス氏が来日した”M.A.Sソケットセミナー”や、”オ社”の
大腿義足のシリコンライナー製作講習会のモデルとして参加させていただく機会もあった
いまは、日本で数例しかない臨床ソケットを試させてもらっている
いろんなことがあったけど、こんどはどんな経験ができるのかなぁっーて思っています
自分自身もさらに勉強して、モデルとしての経験値も広げていきたいです
だから、現在の自分の置かれた状況の中で、自分が出来ることについて、やるだけのことを
チャレンジしてみるっていうのもありかなあって日々思いながら行動しています
最後に、保険制度等について少しだけふれます
製作した際の見積もりや請求の金額(パーツ価格)だけで、
担当部署の職員(○△省や☆◇役所の障害担当)やKOS相談しょ(濁してます)は、
判断してほしくないと思っている
(制度の現状については、担当部署それぞれで予算があると思うし、それ自体を変えるにはもっと
大きい(広い)レベルで制度等を変えないと、予算も人材そのものも増えるっていうこともないのだが)
P.O.(義肢側具)の業界の方々も、切断者の方々も、積極的に所管部署や議員さんなどに発言し、
制度の改善をお願いしていかないと、これから先も変わっていかないと思っている
2017年6月投稿(2023年7月加筆)